理系作業療法士のブログ

整形外科、認知症、内部障害の作業療法を中心に取り組んでいます。OTの仕事や研究について書いていきます。

AaDO2とか換気血流不均等って何?

この辺の話ってややこしくないでしょうか?

換気血流不均等や拡散障害、シャントなどごちゃごちゃ出てきてなんのこっちゃわからん、という状態になることがあるかと思います。(私だけ?)

ですが換気血流不均等を理解すると、意外とシンプルに説明できます。

さらにこれが分かるとⅠ型呼吸不全についても理解しやすいので、以下簡単に説明します。

QとかVとかは出していません。そちらは教科書でご確認ください。

厳密な正しさよりも分かりやすさを重視しています。

 

AaDO2はなぜ必要なのか?そもそも何を調べようとしているのか?

AaDO2はガス交換(酸素と二酸化炭素の交換)がうまくいっているかどうかを調べています。

PAO2とかPaO2とか出てきて難しいと思いますが、要するにガス交換がうまくいっていない原因を調べようとしているわけです。

ガス交換について細かく調べていく上では何が必要でしょうか?

 

ガス交換には換気と血流の2つが重要

まず、ガス交換においては換気と血流が重要です。

大切なことなので2回言います。換気と血流が重要です。

これを覚えておくと、後々わからないことが出てきても、考えて行くことができます。

この2つがうまくいってこそ、肺の中でのガス交換が保たれます。

換気を行える肺胞の数が多いほうがガス交換にとって良い状態です。

肺胞が潰れたりビチャビチャに濡れていると、換気が悪くなってガス交換がうまくいきません。

せっかく血流がよくて酸素を運んで来ても、肝心の肺胞が潰れていてはガス交換ができません。

それと同様に、血流がない場合は酸素を運んでこられない、という状況ですのでガス交換がうまくいきません。この場合も、もちろんガス交換できません。

 

この2つの状態が換気血流不均等、つまり換気か血流がうまくいっていない状態ということです。

以上を踏まえた上で、AaDO2の3つの要因(換気血流不均等、シャント、拡散障害)について見ていきます。

 

換気血流不均等って何?

ここまで読んで下さった方はもう説明できると思います。

ガス交換をする上では換気と血流どちらも必要で、どちらかがうまく行かなくなった状態の事を指します。

肺炎、間質性肺炎、ARDS、無気肺、肺水腫、気管支喘息COPD、肺血栓塞栓症などでおこります。

 

シャントって何?

換気が全くなくて血流だけが保たれている状態の事を個別にシャントと言います。全くない、というのが重要です。迂回されてしまっている、ということです。肺動静脈瘻で起こります。

 

拡散障害って何?

肺胞が分厚くなったりして、酸素が拡散しにくくなる状態です。

簡単に言えば血流はあるけど換気が低下している状態です。

ここだけ聞けば(血流はあるけど換気が低下している)シャントと同じですが、原因が違います。

シャントは換気される道がなくなっている状態、拡散障害は肺胞が分厚くなったりしている状態です。

間質性肺炎などで起こります。

 

以上のAaDO2が開大する要因(換気血流不均等、シャント、拡散障害)は基本的にⅠ型呼吸不全についての話になります。

以下に呼吸不全についてまとめてみました。

 

呼吸不全について

<Ⅰ型呼吸不全>

  • 酸素化不全を主とする病態
  • PaO2が低下し、PaCO2は正常ないし低下している状態
  • A-aDO2が開大することで起こる、ガス交換機能の障害が主原因(換気血流不均等分布、拡散障害、シャントなど)
  • (拡散能の高い)二酸化炭素の排出は正常
  • 呼吸不全が1ヶ月以内

ここは先程までのAaDO2が開大するのが主な原因です。

 

<Ⅱ型呼吸不全>

  • 主に換気の障害(肺胞低換気)
  • PaO2が低下し、PaCO2が45Torrを超えて増加している状態
  • 一回換気量の減少
  • 呼吸不全が1ヶ月以上

こちらは肺胞低換気による病態です。COPDなどです。

ここまでご理解いただければ、感覚的には呼吸不全についての混同も避けられると思います。

 

まとめ

換気血流不均等は換気か血流かどちらかがうまくいっていない状態である

AaDO2の開大はⅠ型呼吸不全の原因である

 

文献

長尾大志:レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室 改訂第2版:日本医事新報社:2015

病気がみえる Vol4.呼吸器:メディックメディア:2013